​【人生の考察ラボ】同じ24時間なのに差がつく理由。理系脳が解き明かす「時間」の方程式

​1. 導入:悩めるシロクマがあなたに問います

「気づけばいつも時間に追われていませんか?」

「仕事、家事、子育て…毎日忙しいのに、何も成し遂げられていない気がする」

​もし、この言葉にドキッとしたなら、あなたは私と同じ「悩めるシロクマ」かもしれません。

​私自身、二児の父として、毎日が時間との戦いです。

朝起きて、バタバタと子どもを保育園に送り出し、仕事をして、帰宅すればまた家事と育児に追われる。自分の時間など、子どもが寝た後の深夜だけ。

​資格の勉強をしたいと思っても、なかなか時間は確保できません。実際、社会保険労務士の試験には5回も落ちています。自分の時間を取ろうとすれば、その分、家族、特に妻に負担をかけることになる。家族と過ごす時間は非常に大切にしたい、でも時間が足りないというジレンマを、子どもができる前と比べて痛感しています。

​しかし、そんな毎日の中で、私は、元々得意だった論理的な思考を持ち込み、時間というものを分解してみることにしました。

​この記事では、私が実践している「時間の使い方」の方程式を公開します。感情ではなく、論理で、あなたの時間の使い方を見つめ直し、人生を豊かにする「解」を一緒に探していきましょう。

 

2. 問題の分解:時間を「3つの要素」で構造化する

​お金やキャリアの不安と同じように、漠然とした「時間がない」という悩みも、その正体を分解すれば、解決への道筋が見えてきます。

​私が行き着いた、時間というものを論理的に捉えるための3つの要素を紹介します。

​要素①:時間の価値(貨幣換算の法則)

あなたは、自分の1時間がいくらの価値があるか、真剣に考えたことはありますか?

​人事部で給与計算に携わってきた私だからこそ言えることですが、時間の価値を論理的に計算すると、驚くほど無駄な時間が見えてきます。

​例えば、あなたの月の手取りが20万円、労働時間が160時間だとしましょう。

​この場合、あなたの1時間あたりの時間単価は1,250円です。

​つまり、あなたが家でぼーっとテレビを見ている1時間も、友人との不毛な愚痴に費やしている1時間も、本来なら1,250円の価値を生み出せたはずなのです。

​もちろん、これは労働対価としての話です。しかし、この「時間単価」という概念を持つだけで、お金と同じように時間を大切に使おうという意識が芽生えます。

​逆に言えば、あなたが1,250円以下の価値しかない作業に時間を使っているなら、それは「時間の負債」を増やしていることになります。

​この「時間単価」を意識することで、私たちは「時間がない」という漠然とした不安を、「今、私は何にどれだけの時間を投資すべきか」という具体的な問題へと置き換えることができるのです。

「時間を無駄にすることは、お金を無駄にすることと同じです。時間の使い方を見直せば、家計にも良い影響があります。

【関連】 理系脳で『家計の無駄』を見える化する。忙しい子育てパパの家計簿管理術」

 

要素②:時間の配分(資産と負債の法則)

お金に「資産」と「負債」があるように、時間にもそれらが存在します。

​家計簿をつける際、将来的に価値を生むもの(投資)と、ただ消費されるだけのもの(浪費)を分けるように、時間の使い方も同じように分類できます。

​資産となる時間: 将来の自分に価値をもたらす時間。

​例:資格の勉強、読書、副業の作業、子どもとじっくり向き合う時間

​負債となる時間: ただ消費される、あるいは未来の負担となる時間。

​例:無目的のSNS閲覧、だらだらと過ごす時間、不必要な飲み会

​正直に告白すると、私も以前はYouTubeをダラダラと見る時間が非常に多く、しかも「有益な情報収集」という理由で自分を納得させていました。しかし、よくよく振り返ってみると、その時に見た動画の内容をほとんど覚えていないことに気づいたのです。

​この気づきから、私は「YouTubeは、私の時間のポートフォリオでは消費(場合によっては浪費)の部類だ」と位置づけました。

​このように、時間の使い方を単なる消費と捉えず、「人生という資産を育てるためのポートフォリオ」として管理することが、時間を有効に使うための重要なステップなのです。

 

​要素③:時間の最適化(化学反応の法則)

​時間のポートフォリオを「資産」と「負債」に分けることができれば、次はどうすれば「資産」を最大限に増やせるかという問題にたどり着きます。

​同じ時間を投資しても、得られる成果に差が出るのはなぜでしょうか?

​それは、時間の使い方が最適化されていないからです。

​分析化学者として働いていた時、私は「集中」と「休息」がセットになることで、最大の成果が生まれることを学びました。膨大な時間と労力を要する分析の工程では、一度手順を誤れば最初からやり直しになってしまいます。わずかな気の緩みが、何時間もの時間を無駄にする「究極の負債」となるのです。

​だからこそ、私たちは「長時間働き続けること」ではなく、「質の高い集中」と「質の高い休息」のサイクルを意識的に作ることが重要だと気づきました。

​人事の観点から見ても、十分な休息がとれている社員ほど、仕事のパフォーマンスが高く、クリエイティブな成果を生み出す傾向にあります。

 

​3. 問題の解決:人生を豊かにする「時間の使い方」の方程式

​これで、あなたの「時間がない」という問題は、3つの要素に分解されました。

  • ​時間の価値
  • ​時間の配分
  • ​時間の最適化

​これらを組み合わせることで、私たちは「時間」というパズルを解くことができます。ここでは、私の実践を通して見つけた、人生を豊かにする「時間の方程式」を公開します。

​方程式①:時間の価値 × 時間の配分 = 時間の有効活用

​この方程式を解く鍵は、「時間単価」を意識し、自分の時間を「投資」に回すことです。

​実践1:時間の「見える化」

​簿記の家計簿のように、あなたの時間も「見える化」しましょう。

​1日の時間を「睡眠」「労働」「家事・育児」「趣味」「その他」などに分け、それぞれにどれだけの時間を費やしているか、1週間ほど記録してみてください。

​実践2:「負債」の削減

​記録した時間のうち、「負債」に分類される時間(例:なんとなく見ているSNSやテレビ)を見つけ出し、意図的に削減します。

​私の場合、YouTubeのダラダラ視聴をやめたことで、1日に約1時間分の「負債」を「資産」へと変えることができました。

​方程式②:時間の配分 × 時間の最適化 = 人生という資産の増大

​「資産」に回す時間を見つけたら、次はそれを「どう使うか」を考えます。

​実践3:黄金のタイムゾーンを見つける

​あなたの集中力が最も高まる時間帯、いわゆる「黄金のタイムゾーン」を見つけましょう。

​私の場合、子どもが寝静まった後の深夜2時間でした。この時間を資格の勉強やブログ執筆に「投資」することで、効率的な学習が実現しました。

​実践4:意識的な「休息」を設ける

​分析化学の経験から学んだように、休息は「負債」ではありません。

​15分程度の短い休憩をこまめに挟むことで、集中力が持続し、結果的に生産性が向上します。

​4. 結論:小さな一歩が未来を変える

​この方程式に完璧な答えはありません。なぜなら、人それぞれ、時間単価も、時間の使い方も、そして何より人生の価値観が違うからです。

​大切なのは、完璧な時間管理術を探すことではありません。「自分にとって最適な解」を見つけることです。

​さあ、今日からできる小さな一歩を踏み出してみましょう。

​ノートとペンを用意して、あなたの時間の使い方を記録してみる。たったそれだけの「実験」が、未来を変える最初のきっかけとなるはずです。

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