キャリアチェンジの方程式。理系脳パパが語るキャリアの化学反応式

​1. 導入:悩めるシロクマがあなたに問います

​はじめに:あなたの「キャリア」、その化学式は解読できますか?

​​​「今の仕事にやりがいは感じないが、他に何ができるのかわからない」

​「子育てや介護との両立を考えると、このまま今の会社で働き続けられるか不安だ」

​「会社員として定年まで働くことに限界を感じているが、次のキャリアの一歩が踏み出せない」

このような悩みに触れて、キャリアを感情ではなく、論理で捉え直すことを提案します。

​私がこの方程式を考えた理由:分析化学者から人事部へ、そして社労士事務所での学び

​私は分析化学者として働いていましたが、新型コロナウイルスの流行、そして家族ができたことが重なり、私のキャリアに対する価値観は大きく変わりました。 当時の分析の仕事への情熱ももちろんありましたが、それ以上に「働ける場所が自由であること」のほうが、私にとって重要に感じられたのです。

​当時の分析の仕事は、高価な分析機がある場所でしか仕事が完結せず、転職するにも分析センターは危険を伴うこともあるため、都市部というよりは地方に多く点在していました。この働く場所の制約と、新しい家族との時間をどう両立させるか、という点で深くもやもやしていたのです。

​このような状況の中で、私自身のキャリアにおける最初の「化学反応」が起こり、現在の「人事部での経験、社労士事務所での学び」へと繋がっていきました。キャリアは偶然ではなく、要素の組み合わせで形成されることを示唆します。

​2. 問題の分解:キャリアを「3つの元素」で構造化する

さて、感情に流されず、あなたのキャリアという複雑な問題を解き明かすためには、まずその構造を理解する必要があります。キャリアは偶然の出来事ではなく、いくつかの要素の組み合わせによって形成される、まさに「化学反応」です。

​ここでは、その反応を構成する「3つの元素」に分解して考えていきましょう。

​元素①:スキル(あなたの武器)

​スキルとは、あなたがこれまでの人生や仕事で身につけてきた、いわば「キャリアの武器」です。これには、以下の2種類があります。

​テクニカルスキル:特定の職種や分野で活かされる専門的な知識や技術。

​例:分析化学者としての「化学知識」「分析機器の操作」、人事部としての「給与計算」「社会保険手続き」など。

​ポータブルスキル:職種や業界を問わず、どんな場所でも通用する汎用的な能力。

​例:「論理的思考力」「問題解決能力」「コミュニケーション能力」「数値分析力」など。

​私は、分析化学者として培った「正確に、素早く処理する能力」や「数字に強いこと」といったポータブルスキルが、一見まったく違う分野である人事の仕事にも役立つことを発見しました。このように、自身のスキルを言語化することは、あなたが持つ武器をリストアップし、別の職種でも通用する可能性を見出す第一歩となります。

​元素②:経験(成功と失敗の物語)

​経験とは、あなたが実際に直面し、そこから得た学びのことです。これは単なる職歴ではありません。

​完璧なキャリアパスなど存在しません。成功体験はもちろん、「なぜ失敗したのか」「その失敗から何を学んだのか」という物語こそが、あなたのキャリアを形成する重要な要素となります。

​私自身のキャリアの最初の章も、ある意味で「失敗」から始まったのかもしれません。

​大学院を修了し、分析センターに就職した当時は、ただひたすらに「専門性を活かして、高収入を得る」ことだけが私の価値観でした。

​しかし、家族ができ、新型コロナウイルスの流行という社会の変化を経験したことで、私の価値観は大きく変わりました。それまで最重要視していた専門性や高収入よりも、「家族と過ごす時間」や「場所にとらわれずに働けること」の方が、私にとって魅力的に感じられるようになったのです。

​この変化によって、分析化学者としてのキャリアは、私の望む未来とは少し違うものになりました。でも、この経験は決して無駄ではありませんでした。分析の仕事で培った「数字を正確に処理する能力」や「論理的に問題解決する思考」といったスキルは、今の仕事にも活かされています。

​この経験は、私に一つの重要な気づきを与えてくれました。

​「仕事に何を求めるか?」という価値観が明確になることで、その後のキャリアの選択肢が驚くほど広がったのです。

​あなたの「キャリアの化学反応式」を完成させるためには、この「価値観」という元素が不可欠です。次のセクションでは、この「価値観」について、さらに深く掘り下げていきましょう。

​元素③:価値観(人生の羅針盤)

​最後の元素は、あなたのキャリアを動かす最も重要な要素、「価値観」です。あなたが仕事に何を求めているのか、その羅針盤を明確にしましょう。

  • ​「給与」:安定した収入や経済的な豊かさ
  • ​「やりがい」:誰かの役に立つこと、社会に貢献すること
  • ​「ワークライフバランス」:仕事とプライベートの充実
  • ​「裁量権」:自分で意思決定できる自由度

​これらの価値観は、あなたのキャリアにおける満足度を大きく左右します。あなたにとって仕事が「何のためにあるのか」を自問自答することで、本当に進むべき道が見えてきます。

​私の場合、分析センターで働いていた時に、働く場所の制約と、家族との時間をどう両立させるかという「もやもや」が、自分の価値観が変化したサインでした。

​「どこでも働けて家族の時間を大切にできる」という新しい価値観が明確になった時、キャリアの選択肢は一気に絞られました。

​​それまで当たり前のように考えていた、分析センターの延長線上にある理系職種の候補を、私は真っ先に除外しました。そして、元素①で言語化していた「数字を正確に処理する能力」や「論理的な問題解決力」といったスキルを活かせるのはどこか?と考えた結果、総務人事系の職種がキャリアの候補として浮上してきたのです。

​3. 問題の解決:「キャリアの化学反応式」を実践する

​これで、キャリアを構成する「3つの元素」が出揃いました。

  • ​スキル(あなたの武器)
  • ​経験(成功と失敗の物語)
  • ​価値観(人生の羅針盤)

​これらを使って、あなたのキャリアを創造する「化学反応式」を実際に解いてみましょう。

​反応式①:スキル × 経験 = 専門性

​あなたの「スキル」と「経験」が掛け合わさることで、あなただけの「専門性」が生まれます。

​私は大学院で、化学の膨大な知識を日々最新の研究結果も踏まえてアップデートし、分析を正確かつ迅速に処理するスキルを徹底的に磨いてきました。

​この一見、労務とは関係ないスキルが、キャリアチェンジ後、大きな武器になりました。なぜなら、労務関連の膨大な知識を、法改正も日々アップデートしながら、正確かつ迅速に入退社手続きや給与計算を行う、という仕事にそのまま活かせることを発見したからです。

​そして、このスキルに社労士事務所での実務経験が加わったことで、現在の企業人事という仕事に、より深い専門性を与えてくれています。

​このように、一見まったく違う分野で培ったスキルと経験が結びつくことで、あなただけのユニークな専門性が生まれます。今あなたが持っているスキルをもう一度見つめ直し、それを活かせる新しい「反応」の可能性を探ってみましょう。

​反応式②:経験 × 価値観 = 満足度

​あなたの「経験」と「価値観」が一致したとき、仕事の「満足度」は飛躍的に高まります。

​私の場合、分析センターから社労士事務所に転職したことで、大きな変化が生まれました。都市部での勤務が可能になり、通勤時間や残業時間が減ったことで、家族と過ごす時間が実際に増えたのです。これは、私の新しい価値観である「家族との時間を大切にすること」が現実になった瞬間でした。

​また、社労士事務所での仕事は、企業の社長や人事担当者に直接アドバイスを行う立場です。この経験は、自分自身が企業の人事部として転職する際に大きな強みとなりました。

​このように、転職という経験を通して、それまで漠然としていた「場所を選ばずに働きたい」「家族との時間を大切にしたい」という価値観が、確かな現実となりました。

​「経験」によって、自身の「価値観」が満たされると、仕事の満足度は格段に上がります。あなたもこれまでの経験を振り返り、どのような経験があなたの価値観を満たしたか考えてみましょう。

​反応式③:スキル × 価値観 = 転職力

​​あなたの「スキル」と「価値観」が一致したとき、「転職力」は最大化されます。

​私の場合、元素①で言語化した「数字を正確に処理する能力」や「論理的思考力」といったスキルと、元素②で明確になった「家族との時間を大切にできる働き方」という価値観が重なり合った時、まさに転職の成功が見えてきました。

​これは私自身の経験だけでなく、企業の人事担当者として、多くの転職希望者を見てきた中での確信でもあります。

​企業が本当に求める人材とは、まさに「確固たるスキル」があり、「自身の価値観が明確」で、その決断に納得して応募してきた人です。なぜなら、そうした人材は面接での受け答えに一切迷いがなく、入社後も高いモチベーションを維持して活躍してくれる可能性が高いからです。

​スキルと価値観が一致した転職は、単なるキャリアチェンジではありません。それは、あなたが心から納得して選んだ、未来への確かな一歩なのです。

​4. 結論:小さな一歩が未来を変える

​見てきたように、キャリアとは一つの道ではなく、日々変化するものです。あなたのキャリアは、この「スキル」「経験」「価値観」という3つの元素の組み合わせによって、無限の可能性を秘めています。

​私自身、この方程式を完全に解き明かしたわけではありません。今も新しい「元素」が加わり、新しい「反応」が起き続けています。大切なのは、完璧な答えを最初から見つけることではありません。

​キャリアの羅針盤となる「価値観」が定まると、次の一歩が驚くほど明確になります。そして、その一歩を踏み出すことで、あなたの持つ「スキル」と「経験」が新たな化学反応を起こし、想像もしていなかった未来へと導いてくれるのです。

​この方程式がまだ完璧ではないように、あなたのキャリアもまだ完成していません。このブログでは、私も実践と考察を続けながら、読者の皆さんと共にキャリアを探求していきたいと思っています。

​さあ、あなたもこの方程式を解き明かし、自分だけの「キャリア」を創造してみませんか?

最後に、悩めるあなたへ。

​この記事を読んだ今が、小さな一歩を踏み出す絶好の機会です。

​ノートとペンを用意して、以下の3つの質問に答えを書き出してみてください。

​スキル(あなたの武器)

​テクニカルスキル: これまでの仕事で、具体的にどんな専門知識や技術を身につけましたか?(例:〇〇の分析、給与計算、マーケティング)

​ポータブルスキル: どんな仕事にも役立つ能力は何ですか?(例:論理的思考力、問題解決能力、タスクの正確さ、コミュニケーション能力)

​経験(成功と失敗の物語)

​これまでのキャリアで、「うまくいかなかったこと」を一つ挙げてください。その経験から得た学びを、これからどう活かし、どんな「成功」につなげていきたいですか?

​価値観(人生の羅針盤)

​あなたが仕事をする上で、「これだけは譲れない」ことは何ですか?(例:給与、やりがい、人間関係、ワークライフバランス、場所の自由さ)

​この3つの元素を書き出すことから、あなたの「キャリアの化学反応式」は始まります。一緒に未来を解き明かしていきましょう。

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